
賃金の根拠を社員に説明するには人事制度の見直しが必要である
社員数が50人未満の企業の場合は、社長さんが社員一人ひとりの仕事ぶりを把握できています。社長さんの頭の中にある評価基準によって賃金・昇給額が決められているのが実態ですが、給与の支払額そのものについては、適切に対処しているように思われます。
ただ問題は、「私の賃金はどのような基準で決まったのですか」という社員の問いに対して、明確に答えることができません。
仮に同じような仕事をしている基本給が20万円の社員2人に対して、1人に3,000円、もう一人に5,000円の昇給をしたとします。
社長さんとしては、それぞれの仕事ぶりを考慮して昇給にメリハリをつけたつもりが、なぜ昇給に差があるのかの説明ができないため、昇給額の少ない社員のほうからすると、直接口には出さなくても、「なぜ彼の方が2,000円も多いのだ。不公平ではないか」といった不満が心の中に生じるようなケースがあるようです。
能力が正しく評価されなかったと不満に思う社員が増えますと、前向きに仕事に取り組もうとする社員が育ちにくい雰囲気になりますので、社長さんの頭の中にある賃金基準(根拠)を人事制度として整理することが求められています。
中堅・中小企業が職能給を導入すると、運用に行き詰ってしまう
当社労士事務所では、中堅・中小企業(社員数30人~100人)に特化した賃金制度、人事評価制度作りを専門にしているため、シンプルで運用がさほど難しくない職務給をベースにしたオリジナルの賃金制度を提案しております。
大企業を中心に定着している職能給制度は、要となる職能要件書を作るのに膨大な時間と労力を要すること、人事評価を行う管理者の評価者訓練を定期的に行う必要があること、客観的な評価が困難なことなどの課題が多く、はっきり言って、社員数が100人未満規模の中小企業には向いていません。 次のような中小企業の実態をよく把握しながら賃金制度を設計する必要があると考えます。
- 自社に人事部がない
- 経営者が人事部長を兼務している
- 分厚い人事関係の書類は読まない
- 人手不足で社員が多くの仕事を抱えている
「賃金制度を成功させるためには設計4割、運用6割」とよく云われています。制度を導入しても運用に行き詰ってしまう会社が多いことから、前述の中小企業の実態を踏まえて、いかにシンプルな賃金制度を設計するか、いかに評価者の主観が入らない人事考課表を作成するかが重要です。
保有能力に対して賃金を支払う職能給と違って、職務給は職務(仕事)の難易度や責任度に対して賃金を支払うため、社員に即戦力や成果を求める中堅・中小企業にマッチした賃金制度です。
大企業では社員の「仕事ぶり」を評価する際には、「知識」「理解力」「技術」「表現力」「コミュニケーション能力」などの評価要素について、「どの程度のレベルに達しているか」といった物差しで職務遂行能力を判定するようなやり方が一般的です。
しかし、人手不足が常態化しており、上司(評価者)が多くの仕事を抱えている中堅・中小企業においてこのような人事評価(能力評価)制度を根付かせるのは、至難の技です。
なぜならば、知識や理解力はどうか、表現力や判断力、事務処理能力はどうかと問われても、評価方法や基準が漠然としているため、評価のしようがないからです。
当事務所では運用重視の観点から、能力評価を行う場合は目に見える仕事ぶりそのものを評価するよう、提言しています。
上司(評価者)の力量しだいで評価結果に大きな違いが生じないように、従来の人事評価表の代わりに仕事評価表を用いて評価を行います。
例えば、ガソリンスタンドの給油スタッフのA社員(2等級)の担当している業務の中に、車検の受注の仕事(仕事ランク:2等級)があるとします。
このA社員の仕事ができるか、できないかの評価はSABCDという5段階で行います。車検受注の仕事が、「模範的な指導ができるレベル」に達していれば「S評価」、「指導ができるレベル」に達していれば「A評価」、「指導を受けなくても一人でできるレベル」であれば「B評価」、「指導を受ければできるレベル」であれば「C評価」、「指導を受けてもできないレベル」であれば「D評価」という判定になります。
こういったシンプルで明確な基準(物差し)で部下の評価を行うため、上司(評価者)は自身が決定する評価に対して自信が持てるようになります。
当事務所では企業様の実態に合った、そして使い勝手のいいオーダーメードの賃金・人事評価制度を設計しますので、短期間でスムーズに導入することが可能となります。
職務給をベースにした賃金・人事評価制度を導入するメリット
職務給制度を導入した場合のメリットは、主に次のとおりです。
- 自分の働きや成果に見合う賃金を受け取れるため、社員(特に若手社員)のモチベーションが高まり、能力の向上が期待できる。
- 若手社員がやる気を出して仕事をすることは、会社全体の生産性の底上げになる。
- 年齢や勤続年数で給料が決まるのではなく、仕事評価表や人事評価表の評価結果によって処遇が決まるので、評価の公平性を確保できる。
- 成果を上げるほど評価に繋がる職務給は、新入社員を応募・採用する際のセールスポイントになり、優秀な人材を集めやすくする効果も期待できる。
- 部下の評価や指導が出来る管理者が育成され、組織力が向上する。
職務給制度設計の流れ
1. ヒアリング、制度設計の準備
- 職務給制度の概要について説明し、作業日程の打ち合わせを行う。
- 制度導入プロジェクトメンバーを選定する。
2. 職務等級フレームの設計
- 職務等級フレームを検討する。
- 全社員の格付けを検討する。
3. 仕事調べ(職務調査)
- 部、課ごとの全職務(仕事)の洗い出しをする。
- 仕事にランクづけをする。
4. 人事評価制度の設計
- 評価要素を決定する。
- 仕事評価、執務態度評価のしくみと評価方法を検討する。
- 目標達成評価のしくみと評価方法を検討する。
- 評価者と評価時期を検討する。
5. 職務給制度の設計
- 現状分析と改善点を明らかにする。
- 賃金表を検討する。
- 新しい賃金表への格付けの方法と導入後の調整の方法を検討する。
- ポイント制賞与制度(評価P、職務等級P等の合計Pで賞与額を算出)の導入を検討する。
- ポイント制退職金制度(勤続年数P、仕事貢献Pの合計Pで退職金額を算出)の導入を検討する。
- 昇格・昇進基準を検討する。
- 社内周知徹底のためのPR方法を検討する。
6. 社内説明会の実施
7. 考課者訓練の実施
コンサルティング費用
当事務所は大手コンサル会社のように数百万もかかる制度は作りません。
従業員数100人未満の企業様のコンサルティングを専門にしていますので、低価格で給与・人事評価制度を作成いたします。
基本料金250,000円+(社員数×5,000円)*消費税別
例えば社員数が30名の場合のコンサルティング費用は、次のようになります。
250,000円+(30名×5,000円)=400,000円(税別)
山崎経営労務事務所